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2009年02月23日

多数のご来場、ありがとうございました!

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九州陶磁器文化館(佐賀県)で行われた《幻の明治伊万里─「精磁会社」展》は、連日、大変多くの方に来ていただいて、関係者は、うれしい悲鳴をあげています。

これらの作品は、明治の初めにほんの10年くらいだけ、有田に存在した「精磁会社」の作品を復刻しました。

「精磁会社」というのは、有田に明治12年に発足し、オランダ・アムステルダム万国博覧会で金賞を受賞という快挙をなしとげます。それらの食器は、皇室御用食器であり、鹿鳴館の饗宴を彩った器です。しかし、数少ない名品を残して、わずか10余年で消滅し、人々の記憶から忘れられています。

全作品、手造り手描きです。

最初は、どこから描けばいいのかわからなかった、とか生地が一窯全部失敗した、など、職人さんたちの苦労話は、つきません。

催し物は終了しましたが、「GALLERIA 645」には、常設で展示してありますので、是非見に来てください。

有田焼のセレクトショップ“GALLERIA 645”!
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http://www.utsuwa.biz/

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2009年02月13日

製作の現場から

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金と赤の骨書きを終えて、窯に入れる前の様子です。うまくいきますように!!

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こちらは、カップの窯入れ前の様子です。

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キャセロールの蓋の金書きあがりました。

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みんな、窯入れ待ちです。これから900度の窯に入ります。

こんにちは!!

製作現場からのリポートをお届けします。

窯入れ待ちのお皿やカップやキャセロールたちの様子です。

さあ、うまく焼き上がりますか!!

焼きあがるのが楽しみです。

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2009年02月04日

幻の明治伊万里─「精磁会社」展、開催のお知らせ

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江戸期創業の弥左ヱ門窯を受け継ぐ有田製窯株式会社では、有田陶業界の有志各社と幻の明治伊万里《精磁会社復刻プロジェクト》を進めて参りました。

有田焼発祥400年を迎えるにあたり、その歴史を尋ね、先人たちの知恵に学び、失われつつある伝統技術を取り戻すべく結集しました。その目標においたのが「精磁会社」の名品です。精緻を極めた絵付け技術を再現するため、日々研鑽を積み、本歌の品位と風格に限りなく近づける努力をしました。また製土は、有田焼の原点ともいえる「有田泉山の磁土」にこだわりました。

この度、下記にご案内のとおり、3年余の挑戦の成果のすべてをご紹介する《幻の明治伊万里—「精磁会社」展》を開催いたします。展示会では、本歌とした精磁会社やその創業に関わった名工の作品、九州陶磁文化館収蔵の精磁会社製品の数々も合わせてご覧いただけます。

●日時   平成21年2月17日(火)から2月22日(金)
●会場   佐賀県立九州陶磁文化館
●住所   佐賀県西松浦郡有田町戸杓乙3100−1
●電話   0955—43−3681
●開館時間 午前9時〜午後5時
●閲覧料  無料

───────┤製品解説├───────

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色絵雲龍文耳付三足花瓶

高:28cm

本歌は明治9年(1876年)、アメリカ独立100年記念のフィラデルフィア万博に出品された花瓶。成型は中国の古銅に想を得たと思われます。主題の雲龍文様は日本画を磁器の球面体に見事にアレンジしています。

高台裏の銘款には「年木庵喜三」とあり、幕末から明治初期にかけて、稀代の名工と謳われた深海平左衛門喜三に由来します。彼の息子である墨之助と竹治兄弟は幼少の頃より焼き物作りだけでなく、茶道や漢画を学ばされるなど英才教育を施され、兄弟で誉れ高い「年木庵喜三」の銘款を引き継ぎ、有田の名門として香蘭社設立に参画しました。その後明治12年、名工兄弟は香蘭社から袂を分かち、手塚亀之助らとともに精磁会社を設立しました。

19世紀後期欧州におけるジャポニスムの流行から、格調高い日本美術の真価が問われた頃、その期待にいち早く応えたのが有田の深海一門でした。形状、運筆、色使い、今までに見られなかった精妙精緻な完成度の高い製品を産み、その成果は明治9年(1876年)、アメリカのフィラデルフィアの万国博覧会で、フランスのセーブル始め欧州の名窯に勝るとも劣らぬ評価を受け、金賞を受賞したのです。

これはその際出品された花瓶の復刻版です。本歌に倣う技術で、復刻においても上絵窯に何回も入れ、困難である繊細な筆致、微妙な色絵の発色も生地になじむことで味わい深いものとなっています。それぞれよく克服して本歌に肉薄した仕上がりといえます。
(『幻の明治伊万里─悲劇の精磁会社』著者・蒲地孝典識)

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色絵捻割地紋唐草文鉢

径:21.7cm・高:13cm

捻り割独特の動きがある構図の中で、雅楽の装束を思わせる文様の配置や細やかな線描きの金彩、地紋と呉須の藍色との取り合わせが美しい調和を奏でている中鉢です。精磁会社の精妙且つ風格ある典型的な輸出向けの製品と思われ、欧米ではおそらく、ワインクーラーやパンチボールなど実用品として供されたでしょう。近年、米国より里帰りしたものを復刻したものです。
(『幻の明治伊万里ー悲劇の精磁会社』著者・蒲地孝典識)

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色絵竹文ディナーセット

これらの復刻した洋食器群は、明治15年ボストンのアーサー・フレンチ商会が有田に招かれて指導し、精磁会社に作らせた本邦初の本格ディナーセットを見本にしたものです。「錦竹ニ雀ノ画デンネル(ディナーの意)セット」とフレンチ形陶器目録(有田町歴史民俗資料館蔵・百田家文書)に記録が残る、これらのディナーセットは、西洋化を推進する明治政府が建てた鹿鳴館で使用されただけでなく、欧米に輸出され貴重な外貨獲得に貢献しました。17世紀以降世界を席巻した有田焼の最高の技とセンスを集積し、「和魂洋才」を具現する完成度の高い逸品です。

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色絵紅葉青海波文ディナーセット

このディナーセットは、量産と品質向上のため、フランスから製陶機械導入をはかった精磁会社晩年の製品です。社長・手塚亀之助の長子、国一が販売不振挽回のために渡米して、市場調査の上、製品開発したものではないかと窺わせる、伝統美をモダンにデザイン化したものであり、この時代を代表する近代陶磁器の先駆的図案と言っても過言ではありません。写実性をたたえた紅葉のあしらいとモダンな色使い。青海波文様の端正な意匠には伝統的な墨はじき技法を駆使しています。染付の氷裂梅花文様は精磁会社らしい念の入りようです。

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色絵瑞鶴若松文紅茶碗皿・珈琲碗皿

古代から高貴な有識文様としてみられる典型的な吉祥文です。互いに違う姿態で舞う鶴と、専門用語で「ギリ松」と云う若松にツタが絡まっているすきりとした意匠。精磁会社らしい上品な配色、繊細精緻かつ生き生きとした運筆も倣い、優美な和洋折衷の様式美を復刻することができました。

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色絵撫子文蓋物

精磁会社製 明治中期

古伊万里調の色使いで、撫子の文様が全面に描かれている。蓋の中央にはデザイン化された撫子文が配置され、それを三方から撫子の葉文が取り囲んでいます。葉文は染付で描かれた藍色の部分と、金彩や赤で描かれた部分からなり、その対比が濃密で豪華な雰囲気を出しています。

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色絵赤濃蝶文台皿(コンポート)

精磁会社製 明治中期

台皿はロクロで別々に成形した台部と皿部を生乾きの時に接合して作ります。皿の画面は、中心から放射状に8等分し、赤地と白地の文様を交互に配したコントラストが美しいです。赤地には蝶や花文が見られますが、文様を先に描いた後、地を赤の絵の具で塗り込めるという手間のかかる表現です。

色絵春秋文獅子耳付小花瓶(一対)

精磁会社製 明治中期

高さ13cmの小さな花瓶ですが、気品と華やかさを感じさせます。両肩には獅子形の耳が付きます。胴部の前と後ろには桜花と紅葉が描かれ、春と秋を表します。紅葉の文様は藍色の染付と、緑・金・紫の色絵で彩られ、色の配置や余白のとり方など細かいところまで配慮されています。

色絵犬紅葉文小花瓶

精磁会社製 明治中期

胴部二面に子犬と箒、紅葉が描かれています。散り落ちる紅葉を箒で掃く時に、子犬がじゃれ遊ぶさまを描いた楽しい図柄です。主文様に合わせて、口部下には赤と金で紅葉文が描かれています。足部には染付で古典的な蓮弁文が巡っており、古伊万里の雰囲気と明治の新しい図柄が調和しています。

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色絵流水梅文透菊花耳付花瓶(一対)

香蘭社製(年木庵喜三製)明治8〜12年

華やかさと新奇さが美的に結実した明治伊万里の傑作の一つ。底部内に金彩で蘭のマークと「喜三製」の銘があるため、精磁会社を明治12年に設立した深海墨之助・竹治兄弟が香蘭社時代に作ったものと分かります。
 
古伊万里の時代には無かったモダンな器形です。足部が極端に細く作られており、焼成時に倒れてしまわないための高度な成形技術と焼成の工夫が必要です。
 
花瓶の首部には、様々な形の窓に各種の花文が描かれています。口部内側の松竹唐草文と胴部の赤地白梅文を合わせると、松竹梅がそろいます。足部の細密な地文も見事です。

色絵黄地花文花瓶

香蘭社製(年木庵喜三製)明治8〜12年

鮮やかな黄地に藍色や赤、金、薄青の文様が映えます。高台内には赤で蘭のマークと「喜三製」の銘を記します。深海墨之助と竹治の名工兄弟による制作です。喜三というブランド名だけではどちらの作か特定できませんが、いずれにしても斬新でメリハリの利いた優れたデザインです。

有田焼のセレクトショップ“GALLERIA 645”!
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